『壊そうとしても変化を飲み込む、それが伝統だ』(日経ビジネス)
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/082000075/010700012
ポイントは下記の通り
- 細尾真孝氏の父がパリの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に西陣織で作ったソファを出展(記事中では「出店」となっているが誤字)したが、受注ゼロ
- 失敗要因は、生地幅が狭すぎることと完成品を作るという固定概念に縛られていたこと
- 翌年、翌々年とクッションやクッションカバーを作るが苦戦
- 2008年末にパリのルーブル装飾美術館で開催された日仏国交150周年の記念展に出品し、世界で5本の指に入ると言われる著名な建築家ピーター・マリノ氏から、鉄が溶けたようなコンテンポラリーアートのような柄のテキスタイル開発の引き合いを得る。エンドクライアントはクリスチャン・ディオール
- 和柄ではなく、西陣織の「技術と素材」が評価されたことを知る
- 従来より広い生地幅を織れる織機を製作し、ディオールへの納品を果たす
日本の伝統工芸品の海外展開は様々な地域で試みられているが、日本人向けの商品をそのまま海外に持って行っても、うまく行かないケースが多い。日本人は「和の文化」への関心の高さに期待するが、実際はデザインや商品開発を海外向けにカスタマイズしなければ受け入れられないのである。現地ニーズをしっかり把握することからスタートすることで、より効率的に海外展開が可能となるのである。