2015年7月18日土曜日

デマが蔓延しやすい中国のWebマーケティング事情 : ICPライセンスについて

中国でインターネットWebサイトを用いて情報発信を行う場合、「ICPライセンス」を取得する必要がある。ICPとは、Internet Contents Providerの略で、中国本土のサーバ、つまり、中国本土のIPアドレスを用いてコンテンツを公開するために必要なライセンスである。このように届け出制にすることで、中国政府は国内で発信されている情報を管理しているのである。

上海や北京など、中国本土でビジネスをする上では、中国国内にサーバがあった方が、Webサイトの表示速度の観点では有利である。また、偽物のWebサイトが多数存在する中国においては、政府に届け出をしていることで一定の信頼感を得る効果があるため、ICPライセンスを取得し、中国本土のサーバを使った方が良いだろう。

上海の街並み


ただし、これは中国本土でビジネスをする場合の話である。日本国内のサーバに中国語のコンテンツを公開する場合には、ICPライセンスは必要ない。また、同じ中国でも、香港のサーバを利用する場合はICPライセンスは不要である。

ところが、Web業界にいながら勘違いしている人もいるようで、
 「日本国内のサーバ上に中国語のコンテンツを置く場合でもICPライセンスを取得しておかないと、中国本土から閲覧できない」
と言っている人がいるらしい。言うまでも無く、これは完全にデマなので、くれぐれも気を付けていただきたい。
私は上海に何回も出張しているが、何の問題も無く日本のサーバにあるWebサイト(もちろんICPライセンス無し)を閲覧しており、実証済みである。

先日、上記のデマを固く信じていらっしゃるWeb制作会社の方とお話ししたのであるが、私が間違いを正してもなかなか信じてもらえなかった。制作会社の方が騙されるぐらいなので、クライアント様は真偽の判断が難しいだろう。ビジネスパートナーを選ぶ際は、現地事情に詳しく、できれば現地で実績のあるパートナーを選ぶことが重要である。






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