ところが、この「爆買い」に頭を悩ませているのがホテル業界だ。
私が東京の大手ホテル関係者にインタビューしたところ、「爆買い」する中国人の買物量は半端が無く、1人あたり段ボール2~3箱買う人も珍しくない。すると、ホテルの部屋に持ち込もうにも、日本のホテルの部屋のサイズでは手狭になってしまう。フロントで荷物を預かろうとしても、「爆買い」する観光客が複数いるとストックが足りなくなってしまうのである。
日本政府としては今後、 2020年に訪日外国人旅行者数を2,000万人にすることを目指しており、ホテルの宿泊客も増加する可能性が高い。しかしながら、さらに多くの観光客を受け入れるのであれば、ストックの増強も含め、ホテルの設備を見直す必要に迫られる。
同様に、公共交通機関や主要駅やイベント会場、観光地も今のままでキャパオーバーになりかねない。今後、東京という街全体の導線設計を早急に見直す必要があるだろう。