当然、同じ商品でも現地の顧客の趣向に合わせた商品にした方が売れる確率は高くなる。しかし、現地の事情に合わせて個別化を進めるには相応のコストがかかる。製造業であれば、製品仕様の変更、部品の調達、生産工程の見直しなど、ものづくりのプロセス全体の見直しを伴うことも考えられる。一般的な生産効率や製造原価の考え方を適用していると、コスト増につながるこうした見直しはなかなか了承を得られず、電圧などの必要最小限のカスタマイズで各国/地域に製品を投入せざるを得なくなるのである。
すると、営業は「商品が現地に合っていないから売れないのだ」と不満を募らせることになり、不毛な社内対立が生じるのである。