「グローバル(Global)」という単語を語源から紐解くと、"Globe"(地球・天体・地球儀)という単語に接尾語の"al"を付けて形容詞化ものが"Global"である。さらに、"Globe"の語源を辿ると、ラテン語のglŏbus(球)という単語となる。このように、地球を1つの「球」として捉えていることに由来する形容詞で、「地球規模の、全世界の」という意味となる。
つまり、グローバルマーケティングとは、全世界を対象として捉え、誰に、何を、どうやって、どのタイミングで商品を投入するかを決定する活動なのである。
「グローバル」と「国際的」の違いは何か?
「グローバル」と似たような局面で使われる単語で「国際的(International)」という言葉がある。"International"という単語を分解するとInter : ~の間の
Nation : 国家
al : 形容詞を表す接尾語
となる。つまり、「国家/地域間の~」という意味であり、国際線、国際電話など国/地域と国/地域との関係を意識した局面で使われることが多い。
これに対して「グローバル」は、前述の通り1か国や2か国ではなく、もっと広い範囲の国や地域にまたがる場合に使われる。例えば地球温暖化(Global warming)、リーマンショックのような世界的な金融危機(Global Financial Crisis)というようなシーンで使われる。
先ほど、グローバルマーケティングは全世界を対象としていると述べたが、その心は、1つや2つの国/地域にとどまらず、複数の国/地域を対象とする、ということにある。
グローバルマーケティング=海外向けマーケティングか?
「グローバルマーケティング」と言うと海外進出(特に欧米への進出)をイメージされることがある。しかし、グローバル=海外ではない。上述した通り、地球を1つの「球」として見ることがグローバルの語源なのだから、日本にいながら日本に住む外国人や日本を訪れる外国人とコミュニケーションを取ることも立派なグローバル化である。逆に言うと、日本国内でビジネスをする上でも、うまくグローバル化を推進すればビジネスチャンスは大きくなる。下記のチャートは訪日外国人の数である。このように右肩上がりの成長を続けており、政府は2020年には2,000万人を日本に呼び込むことを目標にしている。国内で飲食店や小売業を営む人にとって、これ以上のチャンスは無いのではなかろうか?
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年別訪日外国人数の推移 |