マーケティングとは何か、と聞かれて何と答えるだろうか?
普段からビジネススキルの研さんに励む人であれば別であるが、スラスラと答えられる人はそう多くはないだろう。
デジタル大辞林によると、「マーケティング」という言葉は下記のような意味を持っている。
顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動。
また、日本マーケティング協会の定義は下記の通りである。
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。(日本マーケティング協会の1990年の定義による)
さらに、フィリップコトラーの言葉を借りると下記のようになる。
マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス
(Kotler, P. et al., 2006. Marketing, 7th ed. Pearson Education Australia, p.7.)
なるほど。さまざまな定義があることはわかる。しかし、理解しやすい定義かと言われるとすぐには肯定しがたい。
ところで、そもそも英語の"Marketing"にはどのような意味があるのだろうか?英文法の観点から見ると、"Marketing"は"Market"という動詞に"ing"を付けた動名詞である。
プログレッシブ英和中辞典で"Market"の動詞としての意味を読むと、「〈商品を〉市場に出す;売り込む」という意味がある。
つまり、英語の意味で「マーケティング」を解釈すると「(商品を)市場に出すこと、売り込むこと」となる。
実はこれが一番シンプルで理解しやすい。
少し補足をすると、商品を
Who:誰に
What:何を
How:どのように?
When:どのタイミングで?
市場に出し、売り込むかを決めることが「マーケティング」と理解するのがわかりやすいであろう。
言葉の定義は理解したとしても、事はそう簡単ではない。誰に、何を、どのように、どのタイミングで売るか?、マーケティング担当者は日々頭を悩ませているのである。